予防補綴のススメ。~むし歯治療にセラミックをうまく活用しよう~

どうも、歯科医師の手塚 充樹です。

今回のテーマは題して

「予防補綴のススメ。~むし歯治療にセラミックをうまく活用しよう~」です。

なぜ、予防とセラミックが関係あるのか

なぜ、こんな記事をつくるのかというと、セラミックで歯を治すことの利点は見た目の改善だけが目標ではないからです。


なんとなくセラミックと聞くと、「前歯の治療に使うものでしょ」とか、「奥歯はあまり他人から見えないしセラミックは入れなくても良いかな」とか考える方もいらっしゃるかと思います。

しかし、もっと患者さんの「身体」に対して意味のあることなんです。

それは、セラミックは、天然の歯と似ているからです。

以下、その理由を5つにまとめてみました。

セラミックが天然の歯と似ている理由。


1.歯ぐきと仲良し

銀歯の被せ物が入ると、歯ぐきは経年的に下がってくることが多いです。銀歯のそばが真っ黒になっていることもよくあります。

それに対して、セラミックは適切な形で被せ物を作れば、むしろ歯ぐきが増えてくることも知られています。

擬似エナメル質(ヒトの歯の表面にある結晶構造の石のような部分をエナメル質と呼びます)と呼ばれることもあるくらい、歯のモノマネをしてくれるため、歯ぐきがあたかも自分の天然歯と勘違いしているかのごとく、寄り添ってくれます。



2.温度変化から受ける影響が似ている

私たちのお口の中は、体温と違って、実に温度変化が激しい場所です。

体温って、熱が出たりしても大体3℃くらいの違いですよね。

お口の中に入る、食べ物や飲み物の温度って、場合によっては熱いスープなどは80℃くらいだったり、氷水は4℃くらいだったり、かなり温度差がありますよね。

実は、加熱膨張といって、私たちの歯や詰め物は、加熱によって膨らんでいます。

そのため、日々起こる温度変化によって、寸法(サイズ)変化を繰り返し、詰め物が歯からズレてきて、隙間があき、接着剤が唾液で溶かされ、新たなむし歯を作ってしまうこともあります。


そんな日々のサイズのズレを最小限に抑えてくれるのがセラミックです。

セラミックは加熱膨張する度合いが歯に似ているため、日頃の温度変化でズレてくる心配が少ないと考えられています。



3.アレルギーを起こさない

お口の中に起こるアレルギーとして、金属アレルギーというものがあります。

日本の歯科医療で使われている銀歯の素材は「金銀パラジウム合金」というものがほとんどで、色んな金属が合わさってできています。

その中でも、パラジウムを含んだ銀歯については、最近ドイツやヨーロッパ諸国では、注意喚起が出されています。

子供やこれから妊娠する若い女性などには入れないようにしようというもので、アレルギーのリスクを心配しているのです。


すでに銀歯が入っている方でも、アレルギーの症状が出ていない方もいらっしゃるかと思います。

アレルギーの発症は急に訪れます。アレルギーはコップに溜まっていく水の話で例えられることがあります。

みんな人それぞれアレルギーに対して耐えられるキャパシティーがあり、それを上回った時にアレルギーが発症するという考え方です。

お口の中に銀歯が入っていると、歯や食べ物で擦れたりして、金属の破片が口腔粘膜(頬の内側など)から吸収されています。

粘膜は皮膚よりも物質を吸収してしまうため、皮膚に金属を接触させているよりもリスクが高いと考えられます。


その点、セラミックはアレルギーを起こすリスクがとても低いと言えます。



4.歯とよく接着する

金属との比較になりますが、金属のつめ物やかぶせ物は、歯とそんなに良くつきません。


よく、古くなった銀歯を除去する時に、ある程度削ると、はじけ飛ぶ様にボロっと取れることがあります。

もう、ほとんど歯とは接着していない証拠ですし、接着剤もそれだけ溶けて失われるということです。


その点、セラミックは歯とよく接着します。

逆にしっかり接着させないと、セラミック本来の強度や耐久性を発揮できないとも言われています。

よく接着するということは、それだけ新たなむし歯に繋がりにくいといえます。



5.硬さが似ている


セラミックの中でも、強化型ガラスセラミックと言われるものは、硬さも歯と近いです。

天然の歯も、長い年月が経ったりすればすり減ってきます。

あまり歯より硬すぎたりすると、天然の歯だけがすり減って(酸による場合もある)、つめ物が相対的に浮いてしまうことがあります。


セラミックのようになるべく歯と似ている素材を治療に用いることで、

歯と一体化してくれ、身体に優しく、新たなむし歯を作りにくいお口の中を作っていくのに強力な助けとなってくれるはずです。



これから、新たにむし歯を作りたくない方はぜひ参考にしてみてください。




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手塚 充樹 
Mitsuki Tezuka
歯科医師 博士(歯学)
D.M.D. Ph.D.
ジンデンタルクリニック院長
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歯を削らない治療 ダイレクトボンディング

どうも、歯科医師の手塚 充樹です。


今回は、歯をなるべく削らないシリーズをお送りいたします。


なんで歯を削らないシリーズをブログで紹介するのか?


その理由は、歯の治療は完璧なものではなく、歯を沢山削れば削るほど、新たな虫歯ができるリスクを高め、どんどん歯が小さくなっていったり、失ってしまうからです。


当然、治療には完璧を求めています。また、なるべく永続性がある治療法を提案しています。


しかし、正しい栄養摂取と、ブラッシング、天然歯の三種の神器にはかないません。


でも、虫歯になっちゃったんだからしょうがないじゃん。
どうすれば良いの?

という疑問を解決する治療法の1つがダイレクトボンディングです。



歯を削らない治療 ダイレクトボンディングとは?



「ダイレクトボンディング」

僕らの職業に触れている医療従事者の方じゃないと、聞きなれない響きかもしれません。


ダイレクト=直接 、 ボンディング=ボンドでつける??


大体そんなような意味で間違いはありません。


この治療法では、歯に直接強力に樹脂(プラスチック)を接着させます。


普通、詰め物や被せ物などは、セラミックと歯に接着剤を用いてくっつけます。



ダイレクトボンディングでは、「治療に使うプラスチックが、接着剤とつめ物両方の役割を果たします。」



ダイレクトボンディングはどんな時に使える?


小さめの虫歯は大の得意




先ほど述べたように、ダイレクトボンディングの場合、使う材質は樹脂(プラスチック)です。


セラミックや金属と比較すれば強度が劣ります。


そのため、歯の噛み合わせが当たる部位を全面覆う場合などには、不利になります。



あくまで小さな虫歯までが最適な適応となります。




ダイレクトボンディングは、歯を削らない以外には利点はある?


あります。


術者の技量に大きく左右されますが、かなり本当の歯に似せることが可能です。


色調が多様であり、歯に直接くっつけるので色の馴染みも良く、境目もかなりわかりにくくなります。


銀歯など金属の歯はもちろんのこと、セラミックなどでも、上手に色合わせをしないと


「the ここに詰め物が入っています」状態になります。


歯の溝のところに茶色などの濃い色をつけることも可能なんですが、恐らく、上手に色付けしたら、ほかの歯科医師が虫歯と勘違いして削り取ってしまいそうなくらい似てます。


虫歯と診断されそうになったら「ダイレクトボンディングで治されているところなので大丈夫です。」と担当歯科医師に言わないといけないですね。



ダイレクトボンディングは虫歯の治療以外にも使える?


使えます。


どんな時に有効か。


①すきっ歯



この場合はかなり有効です。
被せたり貼ったりする方法もありますが、ダイレクトボンディングは歯を削る量の少なさがピカイチです。



②歯が折れた

折れてなくなってしまった歯がどの程度か、噛み合わせがどのようになっているかにもよりますが、上記と同様に歯を削る量が少なく済みますので有効です。






ダイレクトボンディングは何年くらいもつ?


材料や、食生活によっては、メンテナンス、再研磨が必要となります。


他の治療法にも当てはまる部分もありますが、表面に色がついたり、境目が目立ってきたりすることもありますので数年に1回くらいはチェックしておいた方がよいですね。



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手塚 充樹 
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歯をなるべく・・・「削らない、抜かない、神経を取らない」シリーズ



歯科医師の手塚充樹です。

今回は、歯をなるべく 「削らない、抜かない、神経を取らない」シリーズです。

私がそう考える理由と治療方針についてお話したいと思います。

今回は「歯をなるべく削らない」ことについてターゲットを絞りお話したいと思います。



1.歯をなるべく削らない

虫歯ができていることを知った時、皆さんはどのように考えるでしょうか。

削って治さなければならないという場合、「あきらめて、早めに治すか」とか、「歯を削るあの音とか、麻酔でチクッと痛かったり、あとで唇が腫れているみたいにしびれが残るのも嫌だなー」とか考える方もいらっしゃるかと思います。

実は、むし歯は、できたものをすべて削って治すべきかというとそういうわけでもありません。

慢性化させて、歯が自分で自分を守るかのように、神経が新たな歯(象牙質)を作り、刺激や虫歯の進行を食い止めることもあります。

虫歯ができていたら、虫歯の部分を削り取って、何かで埋めればよいのではないかと考えることが普通かと思いますし、実際に最小限の歯を削り、埋める処置が必要なこともあります。

しかし、歯をなるべく削らずに残した方がよい理由があります。

次の3つの理由により、歯を削ることで、「次のむし歯」を作りやすくしてしまうからです。

①歯にヒビが入る
歯の表面のエナメル質というガラスのような素材がひび割れるように亀裂が入ってしまうことが知られています。

②詰めたところに自分の歯との境目ができる
材料と歯の間の境目ができることにより、経年的に境目のところがずれたり合わなくなるリスクと隣り合わせの状態になります。
私たちが日ごろ用いている拡大鏡などで観察して、もし詰め物と歯の間にずれが生じていたり、隙間が空いていたら、私たちのお口の中に住んでいる常在菌の大きさからすると簡単に出入りできるようになってしまいます。

③隣の歯に傷がついてしまうことがある
この3つ目の理由に関しては、歯科医の技術的な部分もあるかと思いますが、私たちが日ごろ行う処置はいわゆる「外科処置」であり、手先で行うものです。手術でもなんでもそうですが、治療結果に「絶対」はありません。
また、むし歯の治療の際に、隣にある健康な歯に傷がつくことによって新たなむし歯ができる可能性を指摘する声があるのも事実です。
むし歯になっている隣の健康な歯に、歯を削るための器具が少しでもカスったり触れてしまうリスクというものはあります。


他にも理由をあげようとすればあがってきますが、なんとなく歯を削るデメリットについてご理解いただけたでしょうか。


歯を削らずにどうやって治すのか?


じゃあ、歯を削ったりしないでどのようにしてむし歯を治すのかということについてお話していきたいと思います。

1.お口のなかのむし歯の病原菌や、自分の唾液の質を調べてリスクがどの程度あるのかを知る

必要に応じて唾液検査を行うことで、むし歯の病原菌の数や、唾液の質(酸性度、緩衝能)などを知ることができます。

むし歯にたいして悪さをする攻撃側(細菌)とむし歯から歯を守る防御側(唾液の質)を調べることで、むし歯になりやすい原因を探るのが目的です。


2.細菌数を減らし、お口の中の細菌の質を変える

お口の中の食べカスが放置され、お口の中の細菌が集まったような歯垢も、数か月もすれば菌の種類が変わって悪玉菌の割合が増えてくることいわれています。
特に、酸素が行き届かない場所で育つ嫌気性菌という菌には要注意です。歯の間などにそのような菌が多いと、酸性な環境がつくられ、歯が溶けていき、むし歯になってしまいます。
まずは、お口の中の古い歯垢を取り除き、悪玉菌の数を減らし、善玉菌を増やし、むし歯になりにくい環境を作ることが肝心です。


3.栄養について理解を深め、日頃から摂取している栄養素について知る

今回は、むし歯についてターゲットを絞ってお話していますので、この場合栄養素で気を付けなければならないのは砂糖です。

歯がしみる症状が強い時、砂糖の摂取を制限することで痛みまで治まってしまうこともあります。この単純で簡単に実践できる痛み止め効果には、最初は私も驚きました。


WHOが提唱する砂糖の摂取量の目安も、1日25グラム以下が良いのではないかと言われていますが、私たちが日ごろ日本で接する飲食品は、砂糖を摂取しすぎてしまう傾向にあります。
大体の目安としては、ティースプーン6杯程度の砂糖にとどめるべきだと考えて頂いてよいと思います。


ドイツでも統計調査が行われましたが、砂糖の摂取量が多かった人たちは、年間の歯科医療費もその他の人に比べて12000円程度高かったというデータもあります。

日頃から、何気なく摂取しているものにも知らず知らずのうちに砂糖が含まれています。場合によっては、健康のために飲んでいるサプリメントやヨーグルトなどにも砂糖が多く含まれていることがあります。
加熱したはちみつや糖度が高い果物や濃縮還元のジュース、清涼飲料水、甘い炭酸飲料、缶コーヒーなど挙げればキリがないくらいに、糖を多く含むものはあります。

砂糖を日頃から多く摂取することは、むし歯をつくることだけにはとどまりません。

血糖値の上昇や下降を繰り返すことによって、老化や肥満、歯周病、糖尿病などの疾患にも関連しますし、マイナスに働くのは歯だけではないです。

むし歯ができた場合、歯がむし歯になったことで身体へ警告を出してくれていると考えてもよいくらいです。

砂糖の摂取は、脳内から幸せなホルモンが出るため、その瞬間人間は幸福感を感じ、疲れが取れたような「錯覚」を起こすことが知られています。

また、血糖値が下がれば、お腹の中にはまだ消化しきれていない食べ物が残っているのに空腹感を感じますし、また、脳内を気持ちよくするために依存性が出てきます。

今や、アメリカなどでも低糖質ダイエットは様々な種類がありますし、糖質を制限することに対して異論ももはやそこまで出ていない状況です。
ヨーロッパでは、果物の糖度を国が制限している場合もあるそうです。

糖の摂取については、身体のことを考えてもむし歯をきっかけに気を付けていけたら素晴らしいと思います。


4.どうしてもむし歯ができて削らなけらばならない場合は、なるべく削らずに治すか、長持ちする材料を選ぶ

どうしても治療をしなければならない歯が存在するのも事実です。

その場合は、可能な限り歯を削らずに削った部分だけを埋めるコンポジットレジンという材料を用いるか、コンポジットレジンの材質では強度的にもたないという場合はセラミックやゴールドなどを用いて修復することが、長持ちをさせることに役立ちます。

一度削ると次のむし歯をつくりやすくなってしまうため、いざ削る場合にはしっかりと次のむし歯を作る可能性を下げる努力をするべきと考えます。

セラミックがなぜ良いかという点については、ただ、歯を似ていてきれいだからというように考えるかもしれませんが、実はそれ以外にも重要な良い点はあります。

主に保険診療適応の銀歯で知られる金属アレルギーのリスクがないのも利点です。

また、加熱膨張といって、歯も材料も加熱をすると膨らみます。
セラミックと歯は加熱膨張する度合いが似ています。
その膨らむ度合いが、歯に似ていることで経年的なズレを最小限に抑えることが可能と考えられます。


保険適用かそうでないかということによって、治療方針を決定することは少しもったいない気がします。

長く使っていける歯の方が、将来的な治療費や、治療時間、病院へ通うための交通費などは安く抑えられるケースも少なくありませんので、しっかり相談していきながら決めていきたいですね。


次回は、歯をなるべく...「削らない、抜かない、神経を取らない」シリーズのつづきを記せたらと思います。


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手塚 充樹 
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新しい歯垢と古い歯垢の違いとは?

どうも、歯科医師の手塚です。

今回は、「新しい歯垢(しこう)と古い歯垢」についてお話したいとおもいます。

歯垢は別名、「プラーク」とも呼びます。

身体のために、古い歯垢を放置しない方がよい理由があります。

なんで定期的な歯のクリーニングが必要なのかということもお伝えします。

そもそも歯垢ってなんでしょうか。

テレビでも歯ブラシや歯磨き粉のCMで言われているかもしれません。

歯垢とは、

歯の表面に付着している、白色または黄白色のネバネバした物質です。 1mgには1億個以上の細菌が存在しています。



とあります。


1mgに1億個以上の菌がいるっていうこと自体凄い数だなーと思いますよね。


今回の話は、いわゆるお口の中の善玉菌と悪玉菌のお話です。

ヒトは、菌と共に生活しているので、何億、何兆という菌がお口の中にいることは自然なことです。

重要なのは、悪玉菌の割合が減ることです。


悪玉菌とは??

ヒトは何兆という数を超える菌と共に生活していますが、それぞれの菌に役割があることがわかっています。

ヒトの健康にとって良くないことが起こったりするものを悪玉菌としています。

当然、歯周病になりやすくなるとかそういうお口の中の弊害だけならまだ許せる?のかもしれませんが、もっと大変なことが身体の中で起こります。

では、どんな意味で悪玉なんでしようか。

1.薬を効かせたくても効かない

実は、その他の菌や、善玉菌とされている菌に比べて、600~700倍くらい薬が効きにくいということがわかっています。

歯磨き粉や、マウスウォッシュに薬用成分が入っているから大丈夫だと思いきや、ここまで効かないとなると、器具を使って落とす必要が出てきそうですよね...


2.放置しているだけでも炎症を誘発してしまう

この、悪玉菌たち、主にはグラム陰性桿菌と呼ばれる菌が主体で、細長い形をしているのですが、ウヨウヨと素早く動くものもいれば、静止しているようにみえるものもいます。

これらの菌は毒素を出します。

毒素が歯ぐきに侵入してきたと知った人間の身体は炎症を起こして対抗しようとします。

この時点ですでに、普通に生活している間もお口の中に炎症を持っていることになります。


3.血管の中にも菌が侵入する

歯を磨いている時などに、歯ぐきから血が出た経験はありませんか?

そんなときに起こるのが歯原性菌血症という状態で、血管の中に菌が侵入します。


血管の中に菌が入ってしまうと、色々な弊害があります。
当然、血管の中でも身体は入ってきた菌に対抗しようとしますから、血管でも炎症が起きます。


歯科発 ヘルシーライフプロモーション~食育・生活習慣指導と栄養管理~ 花田信弘監修より引用



あまり何回も菌血症を繰り返していると、アテロームといって、血管の中にゴミのようなものが付着していってしまうこともあります。


結果的に、血管が脆くなったり硬くなる原因を作り出します。

この時点で、お口の中だけではなく、身体の中で炎症を持っていることになります。




4.血管の中にゴミが溜まり、動脈硬化などの原因になる

血管の中で炎症が頻発してしまうと、血管内皮炎という炎症が起こるだけではなく、アテローム形成といって、血管の中にゴミが溜まるような状態になります。

このゴミが凝り固まったり、血管の中にできたかさぶたのような物が引っかかってできた病気が、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などです。

この時点で、お口の中の状況が引き金になり、全身の病気につながったことを意味します。


お口の中の菌のことをケアしなかったことで、こんなことが毎日毎日繰り返し起こっていると考えて下さい。




歯科発 ヘルシーライフプロモーション~食育・生活習慣指導と栄養管理~ 花田信弘監修より引用



防ぐには、どうしたら良いか?



あまりたくさんの汚れがついている方の場合は、1度しっかりと徹底したクリーニングを行う必要があります。

1度は綺麗になったけど、食生活の内容や、歯並びの関係、歯磨きの習慣などの問題で

汚れが溜まりやすい方は、


70~90日くらいに1回は歯科医院で悪玉菌を排除しましょう

ということになります。

歯科医院で、「3ヶ月に1回は歯石をとりましょう」と促されたことはありませんか?

個人差はありますので、その方に合った適切なお掃除のタイミングを見つけてあげることは歯科医院側の大切な仕事だと思いますが、

要するに、上記で述べたような、身体に対する不幸が振りかからないようにするための手段の一つと考えて頂ければ幸いです。

ご自宅でお口の中のケアをするための味方は、歯磨きやフロスなどの他にPOICウォーター(タンパク分解型除菌水)も治療の一環としては有効と考えます。


歯垢が溜まりにくい食生活や、虫歯ができにくい食生活や、歯周病になりにくい食生活などについては、また別の機会にお話したいと思います。

長文読んでくださり誠にありがとうございます。


最後に私が好んで説明に使用している図をご紹介します。



歯科発 ヘルシーライフプロモーション~食育・生活習慣指導と栄養管理~ 花田信弘監修より引用



メタボリックドミノといって、生活の悪習慣が引き金となり、病気が次々と引き起こされているということを表す図です。


なにを隠そう、この上流の小さなドミノに該当するのが虫歯や歯周病なのです



小さなドミノ元に戻す方が労力は少なく済みます。

今からでも、お口のクリーニングを始めてみませんか。


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バカにしてはいけない。毎日の食事。栄養素と身体の健康について

どうも、歯科医師の手塚です。

今回のテーマは、私が日頃もっとも大事にしていると言っても過言ではない、「栄養素と身体と歯の健康」についてです。



栄養素が身体の健康に関わっているか、なんていうことは百も承知という方も多いかと思います。

しかしながら、「どの栄養素がどんな症状に有効か」もしくは、「どの栄養素がどんな病気に対して悪い方向に働きかけるか」などが新たに発見されてきています。

その中で、私が担当しているお口の中の領域、歯ぐきの病気である「歯周炎」や、歯の病気である「虫歯」についても当然、どんな栄養素が関わっているかはわかってきています。

更に言うと、「歯の治療を続けているけれども、なかなか良くならない」「歯の痛みがとれない」「歯ぎしりが治らない」「歯のグラグラが治まらない」「歯磨きの度に歯ぐきから血が出る」などの数々のお口の中の症状。
歯石を除去したりクリーニングをするような、アプローチだけでは改善がイマイチ見られないこともあります。
これらも栄養素の問題や、身体の状態の不調が単に歯や歯ぐきに現れているというように考えることもできます。

身体の状態を、栄養状態の改善などから整える方が、虫歯になった歯を片っ端から削っていくよりも、根本的に治癒するための近道じゃないかとも考えています。

また、身体の状態がひとたび整ってしまえば、その後それを継続することで、今後、ご自身の身体に起こり得る疾患の予防に繋がります。

逆に、砂糖の摂取量が1日25g以上の人は、歯科医療費が年間一人当たり10000円ほど高かったというデータもあるようですよ。

今回は、ヒトが健康的な人生を長く過ごせるようにしてくれる強力な味方「栄養素」についてお話したいと思います。


寿命には種類がある?

人間には必ず寿命がありますが、寿命には種類があるのをご存じですか?
大きく分けて、「健康寿命」と「個体寿命」があります。

健康寿命は、2000年にWHOが提唱した

「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」

と定義されています。

一方、個体寿命は、ヒトが生まれてから死ぬまでの期間です。一般的には単純に「寿命」と呼ばれているものです。
ちなみに、

日本人の2010年の平均寿命は男性が79.6歳、女性が86.3歳となっています。これは生まれたばかりの赤ちゃんが死ぬまでの平均期間を示しています。



あなただったら、健康寿命と、個体寿命だったらどちらを延ばしたいですか?

できれば病気にかからずに、 健康でいられる年数を増やしたくないですか?

少なくとも私は、自分の健康寿命を延ばしたいと考えています。

私の仕事は身体が資本ですし、代わりきかないことも多いので今日は風邪をひいたとか、今日はどこかが痛いとか言ってられません。

仕事を楽しみ、ハツラツと人生を楽しみ、仕事をリタイアした後の老後も他の楽しみを見つけて生きて行こうと考えると、どう考えても「健康寿命」を延ばすことは欠かせません。

そもそも、人間の生物学的な寿命って、理論上は130歳と言われているんです。

私自身が130歳まで生きてやろうと考えているわけではありませんが、少なくとも生物学的にはそんなに長くヒトは生きられるんだっていうことを知ったら、せめて90歳以上とかまで生きられたらいいなーとか考えるようになりました。

しかし、この日本という国の中で、「老衰」という形で亡くなる方はほとんどいらっしゃらないと思いませんか?

大多数の方が「病死」をしているのが現状です。

その事実に対して、あきらめ、流れに身を任せるのも一つの考えるかも知れません。

しかし、日々の食事の内容や身体に摂り入れる栄養素をしっかり選ぶことで、病気になる確率を下げられるとしたらなんとも嬉しいことではありませんか?

栄養素が、身体に影響を与える原理には、「エピジェネティクス」という学問が関係していると考えられます。


エピジェネティクスとは?


自分自身の身体の細胞が日頃から取り入れる栄養素を変化させることで、細胞のふるまいが変わります。


私はエピジェネティクスといって、細胞の周りの環境が変わることで、遺伝子の変化がなくてもその細胞の振る舞い(機能)が変わるという内容を研究していました。

私が行っていた研究は、ある骨の細胞を神経の細胞に変えるものでした。しかも、遺伝子の操作は行わずにです。
どのようにするかというと、骨の細胞を培養して、培養液(細胞を育てるための栄養素)を、神経の細胞を育てるための培養液に変えるだけです。

数日間で、細胞の形がみるみるうちに変化してきて、長細い楕円形をしていた骨の細胞が、どんどん先が鋭くなっていき、周囲の細胞とコミュニケーションを図るように突起を伸ばし、最後は神経のネットワークのように細胞突起が張り巡らされます。

要するに、この変化が起きたのは細胞が日頃摂取している栄養素を変えただけなのです。

栄養を変えるだけで、細胞がここまで大きな変化をとげるということを私は目の当たりにしてきたため、ヒトが普段摂取する栄養素をしっかりさせることで細胞をしなやかにしたり、炎症に対して強くしたり、状態を整えることは容易いことなのではないかと考えています。

だって、骨が神経に成り代わらせるほどの力が、栄養素にはあるのですから。

ちなみに、エピジェネティクスを詳しく説明すると、

エピジェネティクス(英語: epigenetics)とは、一般的には「DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域」である。 ただし、歴史的な用法や研究者による定義の違いもあり、その内容は必ずしも一致したものではない。

とあります。


栄養学の領域も、まさにヒトの細胞のエピジェネティックな変化を狙ったものとも考えることができるかと思います。

まだお話したいところですが、今回はここまでにさせて頂きます。



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